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クローズアップ/静岡市立清水病院/寝耳に水の民営化/災害・感染症…欠かせぬ公立

 来年4月から静岡市の市立清水病院で、民間企業が管理・運営を担う「指定管理者制度」への移行が狙われています。職員の労働条件と地域医療の低下を招きかねない変更ですが、市は地域住民に詳細な説明をしていません。(中井浩紀)

 静岡市は清水病院の赤字解消を理由に、静岡県厚生農業協同組合連合会(JA静岡厚生連)を指定管理者とする運営形態の変更を計画しています。計画案ではJA静岡厚生連が清水区内で運営する清水厚生病院の入院機能を止し、清水病院に集約します。外来機能は二つの病でそれぞれ残します。

 地域住民と清水病院で働く職員は、今年3月末に指定管理者制度への移行を突然知らされました。職員のひとりは、「コロナ禍では最前線で命と向き合い、よい医療を提供したいとの志をもって働いてきましたが、市の突然の通告に行政から見放された思いを抱いています」と不安の思いを吐露します。

 「地域にとって適正な規模で住民のニーズに応えられる病院であり続けたい。市からこれまで通りの診療を継続できるのかなど、丁寧な説明を行ってほしい」 

 静岡市職員労働組合連合会(静岡市労連)で清水病院を担当する長尾徹書記次長は、「市は清水病院の赤字を強調し、職員や住民への意見を聞くこともなく指定管理移行の方針を決定しました。清水地域の医療体制にとってデメリットしかありません」と話します。

 静岡県労働組合評議会や静岡市労連などで構成する「清水地域の医療をよくする会」は4月、住民が地域医療をどのようにしてほしいか聞くべきだとして、二つの病院の地元住民を対象にアンケートを実施しました。回答では、公的な運営形態の継続を求める声が4分の3を占めました。また、病院の運営形態の変更による医療の質の低下や、運営主体が撤退した時の病院のあり方に懸念を示す回答が多く寄せられました。

 清水区選出の内田隆典市議(日本共産党)は市議会6月定例会の総括質問でこの問題をただし、指定管理者制度でなければ清水病院の赤字経営の克服や、地域医療は守れないのかと訴えました。「公立病院は地域住民の命と健康を守り、十分な医療を提供する義務のもと、大規模災害や感染症流行などの対応でも欠かすことのできない病院です」と強調し、清水地域の医療を守るため市による直営を継続すべきと求めました。

 市当局は、市議会9月定例会にも指定管理への移行に向けた条例改正案を出すと見られます。静岡市労連と静岡自治体労働組合総連合は、住民合意なき指定管理者制度導入に反対する要求書の提出や、住民アンケート結果と今後の運動を提起する地元住民を対象にしたワークショップの開催を8月11日に予定しています。

しんぶん赤旗 7月9日付け

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