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NHK日曜討論 田村政策委員長の発言

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 日本共産党の田村智子政策委員長は7日のNHK「日曜討論」で、今週から審議の始まる第2次補正予算案など新型コロナウイルス対策などをめぐって各党の政策責任者らと議論しました。


横田滋さん死去

 田村氏はまず、北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの父で拉致被害者家族会元代表の滋さんが亡くなったことについて、「横田さんの無念さを思うと胸がつぶれるような思いだ。問題解決への進展がみられず、多くの被害者家族や支援者が苦しい悔しい思いをしていると思う。外交の力で一日も早く前へ進められるよう、私たちも協力していきたい」と述べました。

2次補正予算案

 田村氏は、新型コロナウイルス感染症対策を盛り込んだ第2次補正予算案について、国民と野党の要求が盛り込まれたものの、第1次補正予算ですでに決めた10万円給付さえ、まだ国民に届き切っていないと述べ、「あまりに遅い」と強調。家賃支援や中小企業への持続化給付金など「迅速に必要な支援を必要なところに届けるという点でまだまだ課題は大きい」と指摘しました。

 使途の不明確な10兆円もの予備費の計上についても「医療機関の赤字への補填(ほてん)など、予算が足りないと分かっている部分がある。そこに計上しないで、予備費は積んでおくというのは大きな問題だ」と批判しました。

 立憲民主党の逢坂誠二政調会長は、野党の主張する家賃支援や雇用調整助成金(雇調金)の上限引き上げなどが盛り込まれたことを一定評価する一方、「われわれが1次補正で必要だといっていたものだ。対応が遅く、額も少ない」と批判。予備費執行に当たっては予算委員会での審議が必要だと強調しました。

 国民民主党の泉健太政調会長は、「予備費10兆円とは、政府が使い方が分からないと言っているようなものだ」と指摘。野党が訴えている持続化給付金の要件緩和や医療機関への経営支援にこそ充てるよう求めました。

 自民党の田村憲久政調会長代理は、「何が起こるか分からない。10兆円くらいないと対応できない」「国会で予算を組むには1カ月かかる。早期対応のためだ」と、国会軽視の姿勢をあらわにしました。

 コロナ危機への政府の対応について、田村氏は「世論調査で6割近くが政府の対応を評価しないとしたことを厳しく受け止めるべきだ。一番苦しいときに支援が届かなかったことが要因だ」と述べるとともに、根本には、2月のイベント自粛要請時から国民の「自粛・休業要請と一体に補償を」という声を否定した政府の姿勢があると指摘。それが雇調金や中小企業支援における煩雑な手続きや対象者の線引きといった不十分な対応につながったと批判しました。その上で、「『新しい生活様式』は新しい自粛要請だ。それに対するしっかりした支援を求める」と表明しました。

 自民・田村氏と公明党の石田祝稔政調会長は「反省すべき点は反省する」と発言。他方で、迅速な給付のためにはマイナンバーと口座をひもづけるための法改正が必要だなどと主張(自民・田村氏)しました。

経済の立て直し

 経済の立て直しをめぐって田村氏は「解雇・雇い止めがすでに1万6000人に上る。休業手当を受け取ったのも600万人に上るとの報道があるが、この方々が仕事を失うことにならないよう、雇用調整助成金の拡充・手続き改善が急務だ」と指摘。「新しい生活様式」を迫られるもとで「赤字覚悟で営業しなければならない事態が出てくる。事業者が事業を諦めないよう持続化給付金を1回で終わらせず、持続的にやるべきだ。家賃支援が早くても8月というのはありえない。迅速に広く届けることが必要だ」と政策の見直しを強く求めました。

 立民・逢坂氏は、観光業やバス・タクシー事業者への支援を求め、文化芸術活動への支援も「2次補正の500億円では足りない」と指摘。国民・泉氏は、政府の観光振興策(GoToキャンペーン)の事務費3000億円の問題を批判。深刻な経済状況が続くなら「もう一回給付か、場合によっては消費税率についても考えるべきだ」と主張しました。

 新型コロナウイルス感染の第2波第3波への備えについて田村氏は、赤字に陥っている医療機関への経営支援が急務だと強調。「医療関係者が、このままでは経済的医療崩壊が起きると声を上げている。コロナ患者を受け入れているか否かにかかわらず、ほとんどの診療所・病院が激しい減収になり、“6月を乗り切れない”“ボーナスカットを言われた”などの声がある。コロナ患者を受け入れている医療機関への赤字補填は不十分で、それ以外の病院については何の補填もない」と批判しました。

 また、「コロナ患者受け入れ病院と、その他の救急対応をする病院との機能分化や、地域の診療所の医師もPCR検査センターの当番に出るなど、地域全体で医療連携をしなければならない。赤字補填を今すぐやらなければ、備えにならない」と重ねて主張しました。

 立民・逢坂氏は、「空きベッドの確保が必須だが、(確保すると)それだけ経営状況が悪くなる」と述べ、医療機関への財政支援を求めました。

国会審議の焦点

 田村氏は、今後の国会審議の焦点について、検察庁法改定案のきっかけとなった黒川弘務前東京高検検事長の定年延長などめぐる意思決定過程の文書がない問題や、コロナ対策の専門家会議の議事録が作成されていない問題を挙げ、「政府への信頼が根底から揺らぐ事態が進行した。これほど、自らの政権が行ってきたことの検証をさせない政治を許してはならない」と指摘。その姿勢が持続化給付金をめぐる不透明な委託問題などにもつながっているとして「政府がきっちり文書を示したうえで、十分審議する必要がある」と強調しました。

 さらに、「例えば医療で、空きベッドを持っていると効率が悪いとして病床数の抑制・削減政策が進められてきた。非正規雇用もどんどん広げ、今その人たちが真っ先に切られる事態が起きている。効率優先で社会保障を削り、人件費抑制のために不安定な働き方を広げてきた政治の在り方についても見直しを求めていく」と表明しました。

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