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被爆地から核に固執する宣言は許しがたい

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志位委員長が談話

「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」を受け、日本共産党の志位和夫委員長は20日、次の談話を発表しました。


 一、G7首脳は、19日、「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」を出した。今回のサミットは、開催地が広島であることから、内外から核兵器廃絶への前向きのメッセージを期待する声が寄せられたが、「広島ビジョン」はそれを真っ向から裏切るものとなった。

 一、「広島ビジョン」は、「核兵器のない世界」を言葉ではのべているが、それは「究極の目標」と位置づけられ、永久に先送りされている。

 何より重大なことは、核兵器は「侵略を抑止し、戦争と威圧を防止する」と、「核抑止力」論を公然と宣言していることである。「核抑止力」論は、いざという時は、核兵器を使用し、広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こすことをためらわない議論である。こうした立場を被爆地から発信したことは、被爆者と被爆地を愚弄(ぐろう)するものであり、決して許すことはできない。

 一、「広島ビジョン」は、広島・長崎が「非人間的な苦難」を経験したという歴史的事実には触れているが、核兵器そのものが非人道的な兵器であるという批判や告発は一言ものべていない。

 NPT(核不拡散条約)第6条にもとづく、「自国核兵器の完全廃絶への明確な約束」(2000年、NPT再検討会議の最終文書)など、核兵器国の核廃絶への義務を果たすことについても、一言ものべていない。

 核兵器禁止条約について、一言の言及もない。90を超える諸国が署名しているこの国際条約が、あたかも世界に存在しないかのような態度をとっている。

 首脳らは、原爆資料館で何を見たのか。

 被爆地から核兵器に固執する宣言を行ったことは、恥ずべきことである。

 一、こうした恥ずべき宣言を発表した議長国・日本の岸田首相の責任が、厳しく問われる。被爆者をはじめ市民社会、世界の多くの各国政府が求めているのは、サミットに招待されているASEAN議長国・インドネシアのジョコ大統領がのべたように「核兵器の破壊」=核兵器の禁止・廃絶である。

 日本政府に、「核抑止力」論と決別し、核兵器禁止条約に参加することを強く求める。

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