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米軍 アフガン撤退完了

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テロなくならず民間人犠牲

駐留20年間

【ワシントン=遠藤誠二】米軍は30日午後(米国東部時間)、アフガニスタン駐留米軍が撤退を完了したと発表しました。アフガン現地時間で、撤退期限の31日に日付が変わる直前でした。2001年の「9・11」同時多発テロに対する軍事報復に始まった20年間に及ぶ米軍のアフガン駐留が終了しました。過去20年、米軍は約2500人が戦死、アフガン人の死亡者は約24万人といわれます。米軍の進める「対テロ戦争」では、テロは無くなりませんでした。

 マッケンジー中央軍司令官は30日、国防総省の記者会見で、「われわれのアフガニスタンからの撤退は完了し、米国民、他の外国人、アフガン国民の退去任務も終了した。最後のC17輸送機は30日午後3時29分にカブール国際空港を飛び立った」と発表しました。

 同司令官は、「軍による退去任務は完了したが、(現地に残る)米国民と国外退去を望むアフガン国民に対しての外交的任務が継続する」と述べました。

 米国防総省は同日、これまでに外国人やアフガン国民ら12万2000人がアフガンから出国したと発表。ホワイトハウスのサキ報道官は、うち6000人の米国民が出国したことを明らかにしました。アフガンには300人の米国民が残っているといいます。

 イスラム組織タリバンは、米軍撤退後のカブール空港に戦闘員が入った映像を配信。カタールのテレビ局アルジャジーラによると、タリバンの報道担当者カリ・ユスフ氏は「最後の米兵がカブール空港を去り、わが国は完全な独立を得た」と発言しました。

 カブールでは26日、過激組織IS系武装集団による爆弾テロで、180人以上が死亡。現地からの報道によると、米中央軍は、29日のIS関連車両を標的にした無人機空爆で、子どもを含むアフガン市民10人を死亡させました。米軍による対テロ作戦は、最後まで多くの民間人を巻き込みました。米中央軍は、この問題で「罪のない命が失われたことを深く悲しんでいる」との簡潔な声明を発表しました。

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