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元検事総長らOB“民主主義の危機” 「検察の力そぐことを意図」 法相に意見書

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時の政権の判断で特定の検察幹部の定年を延長できるようにする検察庁法改定案について15日、元検事総長の松尾邦弘氏ら検察OB14人が反対の意見書を森雅子法相あてに提出し、公表しました。改定案を「政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺(そ)ぐことを意図している」と強く批判し、政府に撤回を求めています。

 安倍晋三政権が世論の反発を振り切って今国会での法案成立を目指す中、検察トップ経験者らが連名で国会審議中の法案に反対意見を表明する、異例の事態に発展しました。

 意見書には松尾氏や元最高検検事の清水勇男氏、元法務省官房長の堀田力氏らが名を連ねました。

 意見書提出後、松尾氏と清水氏が東京・霞が関で会見。田中角栄元首相が逮捕されたロッキード事件の捜査に携わった元検事らを中心に声をかけ、意見書をまとめたと語りました。

 清水氏は、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を政権が閣議決定で決めたことが「本来は法改正を経てするべきことで、立法権の侵害に該当する。三権分立という近代政治の基本原則に反する恐れがある。明らかに憲法違反だ」と指摘しました。

 その上で、今回の改定案が「違法な決議を後追いで容認するもの」(意見書)だとして、「法律化され、違憲状態が定着してしまうことを恐れている」「検察の危機、民主主義の危機だ」と語りました。

 松尾氏は「ある検察官には定年延長を認めて他には認めないということになると、政権の内部で検察に対する影響を与える余地が生じる。そういう危惧が非常に強くある」と述べました。

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