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新型コロナQ&A 第3弾 感染爆発・医療崩壊止めるには いま何が必要か

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 新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、政府は16日、改定新型インフルエンザ等対策特措法にもとづく「緊急事態宣言」を全国に拡大しました。同時に、「1人10万円」の現金給付を行うことも決めました。補正予算案を閣議決定後に組み替えるのは異例中の異例。野党の要求と国民の批判の前に、政権が動揺し始めた証拠です。日本共産党は「感染爆発、医療崩壊を止める緊急提案」(16日)を発表しました。新型コロナ感染拡大のなかいま何が必要か、3月21日付、4月7日付に続きQ&A第3弾で考えました。

「1人10万円」給付早く

 Q 政府もようやく「1人10万円」の検討を始めたようですが…。

 A 政府が当初の補正予算案に盛り込んでいた「1世帯30万円」の給付は、「収入が半減」とか「住民税非課税水準」とか、あれこれの条件をつけたために、対象が狭く、不公平をつくりだす内容でした。いま必要なことは、困っている人に早急に暮らしを支える資金を届けることです。あれこれの条件をつけずに、すべての人を対象にすることが、スピードという点でも不公平を生まないという点でも、有効な方法です。

 国民の声におされて、政府も1人10万円の給付案を検討し始めましたが、この給付が本当に早く届くようにすることが必要です。前回2009年の「定額給付金」では、多くの自治体で補正予算成立から給付開始まで2~3カ月以上もかかりました(グラフ)。これでは遅すぎます。今回も、「5月下旬から6月上旬」(公明党幹部)になってしまうなどと言っていますが、できる限り早める努力が必要です。

 日本共産党は、一貫してすべての日本在住者に「1人10万円」の現金給付をと主張してきました。その方法として、市役所などに出向かなくても郵送やメールでできるようにして、本人が指定した口座に振り込むなど、できるかぎり簡素な方法を提案しています。コロナの影響を受けている日本在住者は、外国人も含めて対象とし、いわゆるホームレスなど住民登録や銀行口座のない人にも、福祉窓口を通じて支給できるようにします。

賃金・収入 8割補償を

Q 自粛で仕事がなくなり、生活できない。支援がほしいのだが…。

 A コロナで仕事がなくなったり、休職や休業せざるを得なくなったりした人には、10万円の給付金だけではとても足りません。コロナの収束のめどが立っていない現在、減収がいつまで続くかもわからないという不安があります。イギリスなどで実施されているように、日本でも賃金や収入の8割を補償することが必要です。

 雇用保険制度の雇用調整助成金を活用して労働者を休業させた場合、現在は賃金の6割の休業手当が支払われていますが、日本共産党は「コロナ特例」として8割まで引き上げ、国の予算で財源を手当てすることを提案しています。雇用調整助成金は、休業手当が支払われてからの「後払い」となっているため、支給が遅れています(表)。「事後審査」を基本にして、相談・申請があれば迅速に支給するようにすべきです。

 雇用保険に入っていない非正規社員や個人事業主、フリーランスについても、全額国庫負担で賃金・収入の8割を補償する仕組みをつくることが必要です。

家賃など固定費の補填で事業継続を

Q 休業要請されたが、協力金だけでは家賃も払えません。

 A 休業などで売り上げが減っても、事業所の家賃や機械のリース料などの負担はなくなりません。これが補填(ほてん)されなければ安心して休業できず、コロナ対策の実効性が上がらず、コロナ終息後の経営の持続も困難になります。政府案の「持続化給付金」(表)については「人件費を除く固定費の半分程度を給付するという考え方」(経済産業省)と説明されていますが、売り上げが前年度の半分以下にまで落ち込んでいることが条件とされるなど、対象が狭すぎます。

 日本共産党は、対象を直接・間接に損失を受けた事業者全体に拡大し、給付額も固定費を払える額に引き上げ、感染防止対策のために安心して休業できるようにするべきだと提案しています。コロナの長期化に備えて、1回限りでなく3カ月単位で支給を継続します。

イベント中止に必要経費補填を

 Q 舞台上演が中止になって、このままでは劇団の存続が危ぶまれます。

 A 演劇やコンサートなどのイベントが次々に中止に追い込まれました。その多くは、政府の自粛要請に協力したものです。イベントの中止によるキャンセル料、会場費などの損害は甚大です。放置すればかけがえない日本の文化や芸術・芸能が壊されてしまいます。日本共産党は、必要経費は国が責任をもって補填すべきだと主張しています。2~3月期に中止したイベントにもさかのぼって適用する必要があります。

地方創生交付金2倍に

 Q 独自支援策をとっている地方もあるようですが、国からの支援はないのですか?

 A 政府案には1兆円の「地方創生交付金」が計上されていますが、1県当たりにすればまったく不十分な金額です。東京都では、自粛要請に応じた事業者に、1店舗には50万円、2店舗以上なら100万円の「協力金」を出していますが、都が指定した業種に限られています。財政力の弱い他の県では、その程度の協力金でさえ困難です。「緊急事態」が全国に拡大されたいま、こうした自粛・休業補償や、観光など地方の重要産業への支援策などをどの地方でも実施できるよう、「交付金」の規模をせめて2倍に増やすよう、日本共産党は提案しています。

学生の苦境どうする?

Q 大学に合格しましたが、学内は閉鎖、授業もなし、なのに学費は引き落とされています。バイトもできません。どうにかなりませんか。

 A 新型コロナウイルスの影響は、学生にも広がっています。バイトが激減して生活費や住居費が払えない、せっかく合格や進級したのに大学が閉校して授業をやっていないなどの不安が広がっています。しかし、政府の対策には「学生対策」が抜け落ちています。

 バイトも労働者です。労働契約法上、不当な理由で一方的な首切りはできません。同意なしの時給引き下げも違法です。

 日本共産党は、バイトの減収にたいしても8割補償する支援策を提唱しています。また、休校や構内立ち入り禁止期間については、授業料を国が全額補填して返還するなどの支援が必要です。奨学金の返済猶予など負担軽減を求めています。

休校どう見たらいいの?

Q 「緊急事態宣言」で再開を予定していた学校が休校になるなどしています。どう見たらいいですか?

 A 感染拡大への対応として休校は一つの選択肢です。全国一律休校の時とは局面が違います。

 専門家会議は4月1日の提言で、休校を「拡大警戒地域」での選択肢としました。「現時点での知見では、子どもは地域において感染拡大の役割をほとんど果たしていない」ことから、地域等のまん延の状況を踏まえて休校を判断するというものです。

 16日、緊急事態宣言の対象地域が全国に広がりましたが、その趣旨は連休中の全国一丸の対策などにあり、全国一律の休校を求めたものではありません。

 現在の休校は、感染者の大幅な増加などの地域における、子どもへの感染防止策であり、保護者を家庭にとどめる施策の一つです。

 ただし、学校には子どもを守り育てる社会的機能があります。そのため学校を休校にしても、学校の機能は止めてはなりません。休校は学校の機能の代替策や保護者の休業補償と一体で行われるべきです。

 学校の機能としては(1)子どもの学び、心のケア、安全確認のため、状況に応じた分散登校、連絡、ネットの活用(2)医療従事者などの子どもの受け入れ、給食(3)受け入れのニーズが高い特別支援学校での配慮(4)福祉などと連携した困難をかかえる子どもへの対応などがあります。

 また、学校など子どもと接する公的機関は格段の感染防止対策が必要です。その優先度を行政全体で確認し、マスクや消毒液等の備品の確保、校内で症状が出た場合の隔離の設備など万全の対策が急がれます。

 一連の施策のために、政府は特別な財政支援を行うべきです。

消費税5%に踏み切る

Q 消費税増税も大きな負担でした。この際、減税したらと思いますが…。

 A コロナによる景気悪化は世界的な現象ですが、日本ではコロナ発生以前から消費が落ち込み、景気が悪化していました。消費税増税の影響です。乗用車の国内販売台数やデパートの売り上げは、消費税が増税された昨年10月以来、前年比マイナスが続いていました(グラフ)。そこにコロナが追い打ちをかけたのです。

 このままでは、コロナが収束しても景気が回復するか確かではありません。消費税率5%への引き下げは、一時的ではない経済対策として大きな力を発揮します。消費税減税の財源は、コロナ終息後に、大企業や大金持ちに応分の負担を求めるなど、応能負担を原則とした税制の見直しをすすめて確保します。

医療崩壊を止めるには?

(写真)発熱外来について説明を受ける小池晃書記局長(左)=東京都練馬区内の病院

Q 医療崩壊が心配です。どうしたら止められるのでしょうか。

 A PCR検査が遅れに遅れ、多くの国民が必要な検査を受けられない状態がつづくもと、新型コロナの市中感染が広がり、各地の病院で院内感染が多発するなど、医療崩壊はすでに始まりつつあります。これをくい止める決定的なカギは、検査体制を抜本的に強化すること、医療現場への本格的な財政支援を行うことです。

 ところが、政府の補正予算案では、医療体制への支援は、PCR検査、病床(ベッド)や軽症者向けの宿泊療養施設の確保、人工呼吸器の整備など、すべてを合わせて1500億円にすぎません。

 マスクの配布や治療薬の開発など、その他の予算を含めても8000億円程度です。こんなわずかな予算では、医療崩壊を止めることはできません。

 日本共産党は、関連予算を数兆円規模に拡大し、検査体制の強化・拡充、医療機関と地域医療体制を守るための財政投入など、医療崩壊を止めるため、あらゆる手だてをとることを政府に求めています。

PCR検査増やすには?

(写真)新型コロナウイルスのPCR検査で検体採取に使う綿棒、一次容器(手前)と二次容器(奥)=見本

 Q PCR検査がなかなか受けられないと聞きます。もっと増やす必要があるのでは?

 A すでに、感染経路のわからない感染者が多数になっており、集団感染(クラスター)を追跡するこれまでの検査方式は限界に達しています。必要な検査を大規模に行う体制への転換が急務です。

 この間、多くの医療関係者から、検査と治療・隔離をすみやかに行うためPCR検査センターを各地で立ち上げることが提案され、医師会や自治体でも、そうしたセンターを設置する動きが起こっています。基本的に「帰国者・接触者相談センター」(保健所)を介さないと検査が受けられないという従来の仕組みをあらため、感染が疑われる人は(1)かかりつけ医や一般病院の医師にまず電話で相談する(2)医師が「検査が必要」と判断した場合は、PCR検査センターで診察と検体採取を行い、検査を実施する(3)陽性の場合は、保健所に連絡するとともに、症状に応じて治療・隔離を行う―というのが、医療関係者の提案です(図)。迅速に大量の検査を行うとともに、医療機関を感染の危険から守るうえでも合理的な提案となっています。

 日本共産党は、医師会、DMAT(災害派遣医療チーム)、大学等の協力も得ながら、公共施設なども利用して、PCR検査を各地につくることを求めています。医師会などの協力も得て発熱外来をつくり、不安がある人が「電話での相談」だけでなく、受診できるようにすることも必要です。国の責任で、PCR検査センターや発熱外来に、予算、体制、医療用マスクをはじめとする医療用機器を配置します。

医療体制守るためには?

Q 新型コロナ患者の受け入れと受診抑制で病院経営が大変だと聞きましたが…。

 A 新型コロナへの感染が急増するなか、医療体制を維持・強化していくには、国による抜本的な財政投入が不可欠です。

 病院が新型コロナ患者を受け入れるには、膨大な財政的負担がかかります。コロナ患者を入院させるためにベッドを空ければ減収となる一方、医師・看護師の体制を組み替えたり、一般患者とは別の診療室や病室を設置する費用を、病院は負担しなければなりません。隔離を徹底するために、一般の診療・入院を縮小したり、手術や健康診断を一時中止する必要も出てきます。コロナ患者に対応する病院への独自助成を決めた東京・杉並区は、病院がコロナ患者を受け入れた場合の減収を、1病院当たり月1・2億~2・8億円と試算しています。

 また、コロナの影響を受けた受診抑制で、コロナ患者に対応していない病院や開業医を含め、どこの医療機関も患者数が激減しています。政府の医療費削減路線で厳しい経営になっているところにこの打撃が加わり、このままでは病院が次々と倒産しかねない状況です。

 日本共産党は、新型コロナ対策にあたる医療機関に対し、空床の確保による減収や専属の治療体制をつくるための経費など、コロナ対策にかかる費用を全額補償することを提案しています。また、地域の医療提供体制を守るには、コロナ対策にあたる医療機関と一般医療をつづける医療機関の両方への財政支援が必要です。軽症・無症状者のための宿泊療養施設を大規模に確保することや、中等症・重症患者を治療する病棟・病室を臨時に増設することも求められます。不足している医療用マスク、防護服、人工呼吸器などは、国がメーカーに要請して増産・調達するなど、国の責任で必要数を確保すべきです。

介護や福祉を守るには?

 Q デイサービスが中止になるなど、介護施設もコロナ対策で大変なようですが…。

 A 介護施設での感染を防止することが、犠牲者を最小にするうえで、きわめて重要となっています。また、介護事業所はデイサービスや訪問介護の中止・縮小を余儀なくされ、事業所は大幅な減収となっています。このままでは介護事業所の倒産・廃業、介護労働者の離職が相次ぎ、介護サービスの基盤が崩れてしまう危険に直面しています。

 日本共産党は、介護・福祉など社会保障の体制を守るため、事業所・施設の感染防止策を支援し、損失等を補償することを提案しています。

 感染の疑いがある利用者への対応など、コロナ対策を介護事業所任せにせず、国の責任で、市町村や保健所が相談に応じる体制をつくるべきです。介護労働者も利用者も、感染の疑いがある場合は、必ず検査を行い、安心して介護がつづけられるようにします。

 感染者や濃厚接触者への介護の提供を評価する介護報酬の設定、新型コロナに対応した従事者への特別手当を創設します。

 介護事業所・施設の感染症対策の必要経費を補償し、感染防止に最善をつくすことも重要です。マスク、防護服、消毒液などを、病院と同等に優先的に供給することも必要です。

 デイサービス中止などによる減収分を全額補償します。

 障害者施設も、介護事業所と同様の問題が起きています。減収分の補填が必要です。

 医療・福祉関係者の子どもなどを預かる保育所・学童保育についても、感染防止策の経費への補償、相談体制の充実、感染の不安がある職員への検査、特別手当などの支給を行います。

ジェンダーの視点で対策を

 Q 外出自粛で家庭内での生活が激変し、女性への負担や影響が大きくなっていますが…。

 A 感染症拡大による日常生活の激変は、女性に深刻な影響を与えています。

 非正規雇用が多く、雇い止めやシフト削減など収入減に直面しやすいこと、育児や介護など家族的責任の負担が重いこと、家庭内で暴力を受けている場合があることなどのためです。

 国連女性機関は各国政府に「コロナ対策が女性を取り残していないか」と問いかけ、ジェンダーの視点にたった対策は女性のみならず全員に良い結果をもたらすと強調し、「あらゆる意思決定の場に女性の参加の拡大を」と呼びかけています。日本でも、ジェンダーの視点で対策を見直すことが急務です。

 政府が検討中の給付金が世帯単位での振り込みとなると、DVから逃げている女性などが受け取れません。DV・虐待の被害者が福祉窓口に申し立てれば受け取れる仕組みとすること、その際、現在地が夫等に漏れることのないよう徹底を図ることを求めます。

 妊娠中の女性は、感染の不安にくわえ、かかりつけの産科がコロナの影響で閉鎖した際の代替の産院探しに苦労しています。すべての妊婦が安心して安全に出産できる体制を、国が支援し保障することを求めます。

 コロナ対策の最前線である医療現場や、休業要請中も社会機能を維持するため開所している介護・障害者施設、保育・学童保育などで働く人の中にも、女性が多くいます。その人たちのニーズを把握し即座に対応すること、過労・ストレスが極限に達していることを踏まえ、特別手当を出すことなど、この機に処遇の抜本的改善を進め、慢性的な人手不足の解消を図ることを求めます。

 外出自粛のストレスがDVや虐待を誘発していると指摘されています。被害女性や子どもがアクセスしやすい相談体制をつくり、周知することを求めます。

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