安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で、立憲民主党、国民民主党などの共同会派の辻元清美議員が、安倍首相の国政私物化を批判して質問を終えた直後、自席から「意味のない質問だ」などとヤジを飛ばしました。野党理事は即座に抗議しましたが、棚橋泰文委員長(自民党)が審議を続行させたため、委員会は紛糾しました。
安倍首相のヤジは、辻元氏が安倍首相の疑惑をあげて、「タイは頭から腐る」と批判した後に飛び出しました。辻元氏の次の質問者がヤジについてただすと、安倍首相は「(辻元氏の発言は)罵詈(ばり)雑言の連続だった」などと述べ、自身の発言だったことを認めました。
安倍首相は、衆院予算委で野党議員への批判をエスカレートさせています。同日の予算委では、立憲民主党などの共同会派の黒岩宇洋議員が「桜を見る会」について質問すると、安倍首相は「非生産的な、政策とは無縁のやりとりを長々と続ける気持ちは全くない」と述べ、野党議員を批判。黒岩氏が4日の衆院予算委で安倍首相から「うそつき」と非難されたことについて謝罪を求めたのに対し、安倍首相は謝罪を拒否しました。
行政府の長が、立法府の議員の質問を「意味のない質問」「罵詈雑言」「非生産的」などと非難するのは、議会制民主主義をも侵害する異常な態度です。