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2020年 日本共産党はいかにたたかうか NHK党首インタビュー 志位委員長の発言

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 12日放送のNHK「日曜討論」各党党首インタビューでの日本共産党の志位和夫委員長の発言は次の通りです。聞き手は、伊藤雅之解説委員と中川緑アナウンサー。


中東情勢と自衛隊派兵

米国の無法な攻撃を批判せず、自衛隊を派兵は大問題――「日本の船舶を守る」というなら派兵ではなく、米国に核合意復帰を求めよ

 中川 まず中東情勢について聞きます。中東情勢の現状、自衛隊派遣についてどう考えますか。

 志位 先ほどの安倍首相の発言を聞いていて、二つ大きな問題があると思います。

 一つは、トランプ政権によるイラン司令官の殺害に対する批判が一言もない。主権国家の要人です。どんな理由にせよ、それを空爆で殺害する、そういう権利はどの国にも与えられていない。国連憲章に違反した先制攻撃です。その批判がない。

 もう一つは、中東情勢がこれだけ緊張しているにもかかわらず、自衛隊派兵の方針は変えようとしない。ここまで事態が悪化した根本は、トランプ政権がイラン核合意から一方的に離脱した、そして司令官を殺害した。これが根源なわけです。そのトランプ政権が呼びかけている「有志連合」に事実上、呼応する形で自衛隊を出すということになりますと、軍事的緊張をいっそう悪化させるということになると思います。

 私は、「日本の船舶を守る」というのであれば、自衛隊を出すのではなく、トランプ政権に対して「イラン核合意に復帰せよ」と求める外交努力こそ必要だと思います。

党綱領の一部改定案

中国に対する綱領上の規定を見直し、世界で起こっている前向きの動きを明記するとともに、資本主義を乗り越える大展望を示す

 伊藤 今年の政治について。共産党は今週、党大会を開いて綱領の一部の改定を行うということですが、2020年、何をめざすのでしょうか。

 志位 綱領のことを今言われましたが、私たちは、今度の大会で、一つは、中国に対する綱領上の規定の見直しを行います。これまで、「社会主義をめざす…国」という規定があったんですけれども、南シナ海や東シナ海での乱暴なふるまい、すなわち大国主義・覇権主義がひどくなっている。香港やウイグルに対する人権侵害の問題が深刻化しています。ですから、「社会主義をめざす…国」という規定は削除する。

 そしてもう一つ、同時に、世界を見渡しますと、たとえば核兵器禁止条約、ジェンダー平等、気候変動の抑制、いろいろな前向きの運動が起こっていますから、それを綱領上もきちんと書きこんでいきたい。

 さらに、世界では今、「資本主義の限界」ということが問題になっています。資本主義の矛盾がずっと深まって、その先に進む――社会主義の条件も熟している。こういう大展望も綱領改定では示していきたいと思っています。

通常国会への対応

「桜を見る会」疑惑・カジノ汚職・自衛隊派兵を徹底追及、暮らしに希望の持てるような政策転換を求める

 伊藤 今月召集される通常国会では、IR(カジノを中核とする統合型リゾート)の整備や「桜を見る会」について、どのような方針で議論に臨みますか。

 志位 通常国会には、私は、二つの姿勢で対応したいと思っています。

 一つは、今言われた「桜を見る会」疑惑、カジノ汚職、そして自衛隊の中東派兵――この三つの国政上の大問題については、野党一体で、徹底的に問題点の追及をしていきたいと思っています。

 ただ同時に、暮らしが大変です。国民のみなさんの暮らしの苦しみに心を寄せて、暮らしに希望がもてるような論戦と活動にとりくみたいと思います。消費税を緊急に5%に引き下げる。社会保障を切り下げから拡充に切り替える。最低賃金を大幅に引き上げる。学費は引き下げる。こういう経済政策の転換を大きく求めてたたかっていきたいと思っています。

安倍首相の狙う改憲

どの世論調査をみても「あなただけには憲法を変えてほしくない」が多数の声――この企てにピリオドを打つためにがんばる

 中川 憲法改正について聞きます。日本共産党は憲法改正をめぐる国会での議論にどう臨みますか。

 志位 先ほどの総理の発言を聞いていますと、“参議院選挙で国民は憲法改正の議論を進めろという審判を下したんだ”というふうにおっしゃいましたが、これはまったくの事実誤認だと(思います)。参院選で国民が下した審判というのは、改憲勢力3分の2割れですよ。すなわち、「性急な改憲には反対だ」という審判が下っている。

 どんな世論調査を見ても、“安倍政権のもとでの憲法改定には反対”、これが過半数です。先ほど総理は、「自分の手で憲法を変えるんだ」とおっしゃったけど、「あなたにだけは憲法は変えてほしくない」と。これが多数の声ですから、この声に応えて、この企てはピリオドを打つということでがんばっていきたいと思っております。

日本経済に必要なこと

消費税10%強行が新しい大不況を招きつつある――消費税5%への緊急減税、富裕層・大企業に応分の負担を求める税制改革を

 伊藤 日本経済についてうかがいます。日本経済の現状、そして必要な経済政策をどう考えますか。

 志位 消費税を10%に上げたことが新しい大不況を招きつつあると思っています。この間の指標を見ましても、家計消費は前年比で2カ月連続大幅マイナス、景気動向指数は4カ月連続で「悪化」、そして日銀短観は6年9カ月ぶりの悪化ですよね。

 とくに中小企業が大変です。消費の冷え込みによる売り上げの減少、大手との値引き競争、複数税率導入による事務負担の増加、そして「ポイント還元」の重荷。三重苦、四重苦を押し付けられている。

 私は、消費税は5%に緊急に減税する、そして富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革をしっかりやる。この問題での大転換を求めて、5%減税が野党の共通の要求になるように努力したいと思っています。

社会保障のあり方

安倍政権の進める「全世代型社会保障の大改悪」をやめさせ、国保、保育、年金など社会保障拡充への改革を

 中川 社会保障について聞きます。医療・年金・介護といった社会保障の給付と負担のありかたをどう考えますか。

 志位 総理は「社会保障のため」と言って増税したんですけれども、出てきたものは「全世代型社会保障大削減」の暴走だと思うんですよ。

 たとえば75歳以上のお年寄りの窓口負担2割を導入すると。つまり2倍にするということです。それから「マクロ経済スライド」の名で年金をどんどん削っていく。基礎年金について言いますと、3割、7兆円削る。一番被害を受けるのは若い世代です。それから全国の公立病院のネットワークを再編してズタズタにしてしまおうとしている。

 こういう、まさに「全世代型の社会保障の大改悪」はやめて、拡充に転じていきたい。高すぎる国保料を下げる。安心できる保育の充実。そして「減らない年金」。こういう方向での改革を求めていきたいと思います。

辺野古新基地と普天間基地

辺野古新基地建設は政治的にも技術的にも破綻――普天間基地は辺野古とのリンクを外し無条件撤去の交渉を行え

 伊藤 沖縄のアメリカ軍普天間基地の「移設」計画についてはどう考えますか。

 志位 政府は、昨年(期間と費用の)見直し(の試算)を出したわけですけれども、これによりますと、だいたい12年かかる、費用は9300億円かかるというのが出ました。かなり膨らみましたが、これで済むかといったら保証はない。どこまで膨らむか分からない。私は、この辺野古新基地はもう政治的にも技術的にも破綻した。これは中止を決断すべきだと(思います)。

 じゃあ普天間基地はどうするのかという問題があるんですね。普天間が動かない理由というのは、普天間と辺野古をリンクさせたからです。リンクさせたままだったら、これから10年以上、「世界一危険」という普天間が残るわけです。どこまで残るか分からない。このリンクを外して無条件の撤去を求めるべきだと(思います)。

 もともと、米軍が占領の時に国際法に違反して強奪した土地のうえにつくったのが普天間基地ですから、無条件に返せという交渉をやるべきです。

今年どう臨む

野党連合政権に道を開く年に――「追及とともに希望を」の姿勢を貫いてこそ、未来を託してもらえる

 伊藤 あらためて今後の政治にどう臨むかうかがいます。政治への関心をどう高め、支持を拡大していくのか、いかがでしょう。

 志位 私たち、今年を、ぜひ野党連合政権に道を開く年にしたいと思っています。

 野党の姿勢として、「追及」とともに「希望」を語る、両面いると思うんです。

 安倍政権のさまざまな疑惑、問題点を徹底的に追及して問題点を明らかにする。これは野党の重要な責任であり、民主主義を回復するための大義(ある取り組み)だと思っております。

 同時に、希望を語るという点では、安倍政権に代わって野党がこういう連合政権をつくる、こういう政策を実行する。これを野党がしっかり示していくことが大事で、それをやってこそ若い方々が「一票投じてみよう」、「未来を託してみよう」ということになると思うので、「追及とともに希望を」という姿勢でがんばりたいと思っています。

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